マルタの大学への留学について|国立大のランキング・費用・英語・出願条件
ヨーロッパの英語圏へ留学を検討する際、地中海に浮かぶ島国マルタが選択肢の一つです。
マルタには国立大学があり、比較的費用を抑えながら質の高い教育を受けられます。
また、マルタは公用語として英語とマルタ語の2つの言語を持つため、英語環境で学びたい留学生にとって魅力的な進学先です。
この記事では、マルタにある大学、特に国立マルタ大学のレベルや世界ランキング、留学に必要な費用、求められる英語力や出願条件について詳しく解説します。
INDEX 目次
マルタで進学できる代表的な大学

マルタでの大学進学を考える際、高等教育機関の選択肢は限られていますが、それぞれに明確な特色があります。
国内で最も歴史と規模を誇る国立の総合大学「マルタ大学」と、実践的な職業訓練に特化した公立の「マルタ芸術科学技術大学(MCAST)」が代表的な進学先です。
以下に、この2校の一覧とそれぞれの特徴を紹介します。
【国立総合大学】マルタ大学(The University of Malta)の特色
マルタ大学は1592年に設立された歴史ある国立総合大学で、マルタ共和国における最高学府と位置づけられています。
その大きな特徴は、人文科学、法学、医学、工学、ITなど14の学部と多数の研究所を有し、幅広い学問分野を網羅している点です。
メインキャンパスは首都ヴァレッタ近郊のイムシーダにあり、国際的な学術ネットワークにも参加しているため、世界中から多くの留学生を受け入れています。
【職業訓練校】マルタ芸術科学技術大学(MCAST)の特色
マルタ芸術科学技術大学(Malta College of Arts, Science and Technology)、通称MCASTは、専門的なスキルと実践的な知識の習得を目的とした公立の職業訓練高等教育機関です。
アートやデザイン、情報通信技術、工学、ビジネス、地域社会サービスなど、産業界のニーズに直結した多様なコースを提供しています。
理論だけでなく実習を重視したカリキュラムが特徴で、卒業後すぐに現場で活躍できる人材の育成に力を入れています。
マルタの大学のレベルは?世界ランキングと日本の大学との比較

マルタの大学への進学を検討する上で、その学術的なレベルは重要な判断材料となります。
特に国立マルタ大学は、国際的な大学ランキングにも登場しており、その立ち位置から教育水準を測ることが可能です。
ここでは、世界大学ランキングにおける評価と、日本の大学に置き換えた場合のレベル感について解説します。
世界大学ランキングにおけるマルタ大学の位置づけ
マルタ大学は、国際的な大学評価機関のランキングに登場しており、その学術レベルを客観的に把握できます。
例えば、「QS世界大学ランキング2024」では851-900位の範囲にランクインしています。
また、「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)世界大学ランキング2024」では601-800位に位置づけられています。
これらのランキングから、世界的に一定の評価を受けている大学であることがわかります。
日本の大学の偏差値に換算するとどのくらい?
海外の大学を日本の偏差値で正確に比較することは困難ですが、世界大学ランキングにおける位置づけからおおよそのレベル感を推測することは可能です。
マルタ大学がランクインしている世界ランキング800位前後の日本の大学には、GMARCHや関関同立の一部、そして地方の有力国公立大学が含まれることがあります。
そのため、日本の有名私立大学や中堅国公立大学と同程度の学術レベルと考えることができるでしょう。
ただし、日本人学生はまだ少なく、多様な国籍の学生と学ぶ環境になります。
マルタの大学へ留学する3つのメリット

マルタの大学への留学は、他の英語圏の国々とは異なる独自の魅力を持っています。
費用面での優位性、特定の専門分野における強み、そしてヨーロッパならではの学習環境が主なメリットとして挙げられます。
これらの要素が、マルタを留学先として検討する価値のある選択肢にしています。
マルタ留学のメリット・デメリットについては「マルタ留学の概要を徹底解説」で詳しく紹介しています。
メリット1:他の英語圏の国より学費や生活費を抑えられる
マルタ留学の大きなメリットは、イギリスやアメリカ、オーストラリアといった主要な英語圏の国々と比較して、留学費用を大幅に抑えられる点です。
特に国立マルタ大学の学費は、学部にもよりますが年間150万円前後からとなっており、欧米の大学に比べて経済的な負担が少ない傾向にあります。
また、生活費もヨーロッパの主要都市に比べて安価で、家賃や食費を含めた全体のコストを抑えながら質の高い教育を受けられます。
マルタの留学費用については「マルタの留学費用について」で詳しく紹介しています。
メリット2:アートや医学など国際的に評価の高い専門分野を学べる
マルタ大学は、特定の専門分野において国際的に高い評価を受けています。
特に、ヨーロッパで長い歴史を持つ医学部や歯学部は有名で、質の高い医療教育を英語で学べる貴重な機会を提供しています。
また、地中海の歴史や文化を背景とした考古学や美術史、観光学、海洋生物学といった分野も充実しています。
このように、世界レベルの専門知識を深められる多様な選択肢があることもマルタ留学の魅力です。
メリット3:ヨーロッパの文化に触れながら英語で学習できる環境
マルタ共和国は、公用語としてマルタ語と英語が定められている国です。
そのため、大学の授業はもちろん、日常生活のあらゆる場面で英語が通用します。
地中海に浮かぶ島国として、ヨーロッパやアフリカの文化が融合した独自の歴史を持ち、国内には3つの世界遺産が存在するなど観光資源も豊富です。
温暖な気候と比較的良好な治安の中で、ヨーロッパの文化に日常的に触れながら英語で高等教育を受けられる学習環境は、大きな利点と言えます。
マルタの大学に入学するために必要な出願条件

マルタの大学へ入学するためには、日本の大学入試とは異なるいくつかの条件を満たす必要があります。
主な要件として、英語能力の証明、最終学歴の要件、そして成績基準が挙げられます。
特に、日本の教育システムとの違いから、大学進学準備課程の履修が求められる場合がほとんどです。
ここでは、具体的な出願条件について解説します。
マルタ学生ビザの申請については「マルタ学生ビザ申請ガイド」で詳しく紹介しています。
英語力はどのくらい必要?IELTS・TOEFLのスコア目安
マルタの大学の授業はすべて英語で行われるため、出願時に英語力を証明する公式スコアの提出が必須です。
求められるスコアは大学や学部によって異なります。
JSAFのSAPコース(学部留学プログラム)の出願基準としてIELTS5.5(一部科目で6.0)が示されています。
また、マルタ大学ギャップイヤープログラムにおいては、TOEFLやIELTS等の公式スコアなしで申し込むことが可能です。
医学部など専門性の高い学部では、さらに高いスコアが要求されることもあります。
日本の高校卒業後に必須となるファウンデーションコースとは
日本の高等学校の教育課程は12年間ですが、マルタを含む多くのヨーロッパ諸国では大学入学までに13年間の教育が必要です。
この1年間のギャップを埋めるため、日本の高校を卒業した学生は、通常「ファウンデーションコース」と呼ばれる大学進学準備課程を約1年間履修しなければなりません。
このコースでは、大学の授業についていくためのアカデミックスキル(レポート作成、プレゼンテーションなど)や、希望する専攻分野の基礎知識、そして高度な英語力を集中的に学びます。
最終学歴の成績証明書で求められる基準
出願時には、高校または最終学歴の成績証明書(英文)の提出が求められます。
大学側は、これまでの学業成績を評価し、自校のプログラムで学んでいく能力があるかを判断します。
明確なGPAの最低基準を公表していない場合もありますが、一般的に良好な成績を収めていることが重要です。
特に、志望する学部に関連する科目の成績は重視される傾向にあります。
マルタの大学留学にかかる年間の費用を徹底解説

マルタへの大学留学を具体的に計画する上で、費用の把握は不可欠です。
年間の総費用は、主に「学費」と「生活費」の二つに分けられます。
他の英語圏と比較して費用を抑えられるのがマルタの魅力ですが、学部やライフスタイルによって金額は大きく変動するため、事前に詳細な内訳を確認しておくことが重要です。
国立マルタ大学の学部ごとの年間学費
国立マルタ大学の学費は、EU圏外の留学生向けに設定されており、選択する学部によって金額が異なります。
University of Malta公式サイトによると、EU圏外の留学生向け学費は学部によって異なり、人文科学部や教育学部、商学部などの文系学部では年間約10,800ユーロ、理学部や工学部、IT学部などの理系学部では年間約13,400ユーロが目安です。
医学部や歯学部など専門性の高い学部はさらに高額になります。
正確な金額は大学の公式サイトで必ず確認してください。
参考:University of Malta公式サイト
https://www.um.edu.mt/study/feesandfunding/
現地での生活費(家賃・食費・交通費など)の内訳
マルタでの生活費は、他の西ヨーロッパ諸国と比較して安価な傾向にあります。
1ヶ月あたりの生活費の目安は、住居費、食費、交通費、通信費などを合わせて1,000〜2,200ユーロ程度です。
これは単身者の家賃を含めた金額であり、シェアハウスなどを利用し節約した場合は下回ることもあります。
家賃は生活費の中で最も大きな割合を占め、学生寮やアパートのルームシェアを利用することで費用を抑えられます。
食費は自炊を中心にすれば月に250〜400ユーロ程度、交通費はバスの学割パスを利用すると安く済みます。
正規留学の準備に最適!マルタ大学付属の語学学校(MULS)

マルタ大学への正規留学を目指す上で、英語力の向上や現地の学習環境への適応は重要なステップです。
その準備として最適な選択肢の一つが、マルタ大学付属のランゲージスクール(語学学校)「Malta University Language School(MULS)」です。
大学のキャンパス内にあり、アカデミックな環境で学びながら、スムーズに大学生活へ移行するための基盤を築くことができます。
マルタ大学付属語学学校については「MALTA UNIVERSITY LANGUAGE SCHOOL」で詳しく紹介しています。
大学の施設を利用できる!MULSで学ぶ魅力
MULSで学ぶ最大の魅力は、マルタ大学の学生と同様に広大なキャンパス内の施設を利用できる点です。
数多くの蔵書を誇る図書館やカフェテリア、スポーツ施設など、充実した設備を活用しながら学習に集中できます。
大学の雰囲気を日常的に肌で感じることで、学習意欲が高まるだけでなく、正規留学後の生活を具体的にイメージできます。
ウェブサイトで公開されている写真などを見ても、その恵まれた環境がうかがえます。
一般的な語学学校と何が違うのかを比較
MULSと一般的な私立の語学学校との主な違いは、そのアカデミックな環境と大学進学への連携です。
MULSは大学進学準備コース(ファウンデーションコース)も開講しており、正規留学を視野に入れたカリキュラムが充実しています。
一方、私立の語学学校は、アクティビティが豊富で小規模なクラス編成が多く、よりコミュニケーション重視の学習環境が特徴です。
どちらが良いかは個人の目的によりますが、大学進学を強く意識している場合はMULSが適しています。
LEARNERS MALTA (BSC MALTA)については「LEARNERS MALTA (BSC MALTA)とは?」で詳しく紹介しています。
マルタ 大学に関するよくある質問

マルタの大学留学に関して、これまで解説した情報以外にも、卒業後のキャリアや編入の可否、現地の治安など、多くの人が疑問に思う点があります。
ここでは、そうしたよくある質問に対して、簡潔に回答します。
マルタの大学を卒業した後の就職先はありますか?
卒業後の就職先は、専門分野や個人の能力次第です。
マルタ国内では観光業、IT、金融、オンラインゲーム産業などが盛んであり、関連分野での就職の可能性があります。
しかし、多くの卒業生はEU圏内の他の国や日本など、マルタ国外でキャリアをスタートさせています。
日本の大学からマルタの大学へ編入することはできますか?
日本の大学からマルタの大学への編入は一般的ではなく、非常に難しいのが現状です。
単位互換の制度が整備されていないケースがほとんどのため、原則として1年次から入学することになります。
可能性を探る場合は、希望する大学の学部事務局へ直接問い合わせが必要です。
留学中の治安や生活環境で気をつけるべきことは何ですか?
マルタはヨーロッパの中では比較的治安が良い国ですが、スリや置き引きなどの軽犯罪には注意が必要です。
特に観光客が多いエリアや夜間の単独行動は避けましょう。
また、夏は日差しが非常に強く乾燥しているため、水分補給や日焼け対策は必須です。
マルタの安全対策と治安情報については「マルタ島の安全対策と治安情報まとめ」で詳しく紹介しています。
まとめ

マルタの大学、特に国立マルタ大学への留学は、他の英語圏の主要国と比較して費用を抑えつつ、ヨーロッパの歴史的な環境で専門知識を学べる魅力的な選択肢です。
世界大学ランキングでも一定の評価を得ており、質の高い教育が期待できます。
入学にはIELTSなどの英語力証明やファウンデーションコースの履修が必要となるため、正規留学を目指すには計画的な準備が求められます。
まずは付属の語学学校で学ぶなど、自分に合った方法で留学の第一歩を検討することが可能です。