マルタの言語事情|公用語の英語は通じる?留学前に知るべき特徴と簡単フレーズ
地中海に浮かぶ美しい島国マルタは、ヨーロッパ屈指のリゾート地であり、近年は英語留学の渡航先としても人気が高まっています。
マルタの公用語は英語とマルタ語ですが、留学や旅行を考える上で、英語がどの程度通じるのか、その英語にはどのような特徴があるのか気になる人も多いはずです。
この記事では、マルタの言語事情について、英語の通用度や特徴、さらには現地で使える簡単なマルタ語のフレーズまで詳しく解説します。
INDEX 目次
マルタの公用語は英語とマルタ語

マルタ共和国の公用語は、マルタ語と英語の2つです。
マルタ語はこの国固有の言語であり、家庭や地域社会で広く話されています。
一方、英語は19世紀からイギリスの統治下にあった歴史的経緯から公用語となり、教育、ビジネス、行政の場で公式な言語として使われています。
国民のほとんどがこれらの言語を話すバイリンガルであり、看板や公的書類の多くは両方の言語で表記されています。
この多言語環境が、マルタの文化的な豊かさを形成しています。
マルタの文化については「マルタの文化を解説|歴史的背景から見る人々の価値観と生活」で詳しく紹介しています。
実際、マルタではどのくらい英語が通じるのか?

マルタでは、国民の約9割が英語を話せるといわれており、日常生活において英語が非常に高いレベルで通じます。
実際に、Maltaの公式統計機関であるNational Statistics Office (NSO) の国勢調査データでも、多くの国民が英語を理解・使用できることが示されています。
教育機関では幼い頃から英語教育が行われ、テレビやラジオなどのメディアでも英語の番組が豊富に放送されています。
参考:National Statistics Office (NSO)
https://nso.gov.mt/en/publicatons/Publications_by_Unit/Documents/C1_Census_and_Statistics_Unit/Census%20of%20Population%20and%20Housing%202021%20Final%20Report.pdf
ビジネスシーンはもちろん、世代を問わず多くの人が流暢な英語を話すため、留学生や観光客が言語で不便を感じる場面はほとんどありません。
公用語として英語が社会の隅々まで浸透しており、どこでも円滑なコミュニケーションに使用できます。
観光地やお店では問題なく英語が使える
ホテル、レストラン、観光案内所、ショップといった観光客が訪れる場所では、ほぼ100%英語が通じます。
スタッフは観光客の対応に慣れており、流暢な英語でサービスを提供してくれます。
レストランのメニューや交通機関の案内、街中の標識なども、マルタ語と英語が併記されているのが一般的です。
そのため、旅行中にマルタ語がわからなくても、英語だけで全く問題なく過ごすことができます。
言葉の心配をせずに、安心して観光や買い物を楽しめる環境が整っています。
ローカルな場所ではマルタ語が中心になることも
観光地から離れた小さな村や、地元の人が集まる市場、高齢者同士の会話など、よりローカルな環境ではマルタ語が第一言語として使われる場面が多くなります。
家庭内や友人同士の日常的なコミュニケーションでは、マルタ語が主に話されるのが一般的です。
しかし、地元の人々は外国人に対して非常に友好的であり、旅行者や留学生が英語で話しかければ、ほとんどの人が快く英語で対応してくれます。
マルタ語が中心の場所でも、排他的な雰囲気はほとんどありません。
留学前に知っておきたいマルタ英語の特徴

マルタへの英語留学を検討するなら、現地で話される英語の特徴を事前に理解しておくと良いでしょう。
マルタの英語はイギリス英語を基盤としながらも、マルタ語やイタリア語の影響を受けた独特のアクセントや発音、表現が存在します。
これらの特徴を知っておくことで、現地でのコミュニケーションがよりスムーズになり、リスニングへの戸惑いを減らすことにつながります。
留学生活を始める前に、マルタならではの英語のポイントを押さえておきましょう。
基盤となっているのはイギリス英語
マルタは過去にイギリスの植民地であった歴史から、学校教育や公的な場面で使われる英語はイギリス英語が標準とされています。
そのため、単語のスペルは「colour」(米国:color)や「centre」(米国:center)のようにイギリス式で表記されます。
語彙や文法もイギリス英語に準じており、語学学校で教えられる英語も基本的にはイギリス英語です。
アメリカ英語に慣れている場合は、一部の単語や表現に違いを感じるかもしれませんが、基本的なコミュニケーションに支障はありません。
特有のアクセントや訛りはある?
マルタで話される英語には、マルタ語の影響を受けた特有のアクセントが存在します。
全体的にイタリア語のようにリズミカルで、メロディックに聞こえるのが特徴です。
例えば、「th」の音が/t/や/d/の音に近くなる、母音がはっきりと発音されるといった傾向があります。
初めは少し聞き取りにくいと感じるかもしれませんが、基本的な文法や語彙は標準的な英語と変わらないため、慣れれば問題なく理解できます。
このアクセントもマルタの文化的な魅力の一つと捉えられています。
イタリア語の影響を受けた表現も使われる
マルタは地理的にイタリアと近いため、人々の会話の中にはイタリア語の影響が見られます。
特に日常会話では、英語を話している最中にイタリア語の単語が混ざることがあります。
例えば、挨拶で気軽に「Ciao(チャオ)」と言ったり、感嘆詞として「Mammamia(マンマ・ミーア)」を使ったりすることが珍しくありません。
これらの表現は、マルタの多文化的な背景を示す興味深い特徴です。
ヨーロッパの様々な文化が融合した、他の英語圏の国々とは一味違った言語環境を体験できます。
もう一つの公用語「マルタ語」はどんな言語?

マルタ語とは、マルタ共和国で話されている固有の言語であり、英語と並ぶ公用語です。
その起源や表記法は非常にユニークで、言語学的に見ても大変興味深い特徴を持っています。
ヨーロッパにありながら、アラビア語をルーツに持ち、イタリア語や英語など様々な言語の要素が融合して形成されました。
マルタ国民のアイデンティティを象徴する言葉であり、彼らの文化や歴史を深く理解する上で欠かせない存在です。
マルタの文化と生活習慣については「マルタの文化と生活習慣とは?|マルタのリアルな生活を紹介」で詳しく紹介しています。
アラビア語をルーツに持つ珍しい言語
マルタ語の最も大きな特徴は、ヨーロッパで唯一公用語として使われているセム語派の言語であるという点です。
その基礎は、中世に北アフリカから渡ってきた人々が話していたアラビア語の方言にあります。
そのため、基本的な語彙や文法構造にはアラビア語との共通点が多く見られます。
しかし、その後シチリアやイタリア、フランス、イギリスなどの支配を受けた歴史から、ロマンス諸語や英語からの借用語も豊富に取り入れられ、独特のハイブリッド言語が形成されました。
文字はラテンアルファベットで表記される
マルタ語はアラビア語をルーツに持ちながらも、表記にはアラビア文字ではなくラテンアルファベット(ローマ字)が使用されます。
これにより、他のヨーロッパ言語に慣れた人にとっては、文字の見た目から意味を推測しやすいという利点があります。
ただし、英語には存在しない「ċ」「ġ」「ħ」「ż」といった特殊な文字や、独自の読み方をするアルファベットも含まれており、正確な発音には学習が必要です。
このユニークなスペル体系も、マルタ語の面白い特徴の一つです。
なぜマルタで英語が公用語になったの?その歴史的背景を解説

マルタで英語が公用語になったのは、1800年代から1964年の独立までの約150年間にわたり、イギリスの統治下にあった歴史が大きく関係しています。
このイギリス統治時代に、行政、司法、そして教育の主要言語として英語が導入され、社会に広く浸透しました。
独立後もイギリス連邦の一員であり続け、ヨーロッパ諸国との経済的な結びつきや観光業の発展において英語の重要性が高かったことから、マルタ語と並ぶ公用語としてその地位が維持されることになったのです。
旅行や日常で使える!簡単なマルタ語の基本フレーズ

マルタでは英語が広く通じますが、現地の言葉であるマルタ語の簡単なフレーズを知っていると、地元の人々とのコミュニケーションがより一層楽しくなります。
挨拶や感謝の言葉をマルタ語で伝えるだけで、相手に親近感を持ってもらえ、旅の良い思い出になるでしょう。
ここでは、旅行や日常生活の様々な場面で役立つ、基本的なマルタ語のフレーズをいくつか紹介しますので、ぜひ覚えて使ってみてください。
「こんにちは」「ありがとう」など挨拶の言葉
挨拶はコミュニケーションの基本です。
マルタ語の挨拶を覚えて、現地の人と交流してみましょう。
こんにちは: Bonġu (ボンジュ)
さようなら: Saħħa (サッハ)
はい: Iva (イヴァ)
いいえ: Le (レ)
ありがとう: Grazzi (グラッツィ)
おやすみ:Il-lejlit-tajjeb (イルレイルイッタイェブ)
レストランや買い物で役立つ一言
レストランでの注文やお店での買い物で使える便利な用語です。
お願いします:…jekkjogħġbok (…イエックヨージョボック)
すみません:Skużani (スクザーニ)
これはいくらですか?:Kemm? (ケム?)
お会計お願いします:Il-kont, jekkjogħġbok (イルコント、イエックヨージョボック)
美味しいです:Tajjeb (タイェブ)
メニューをください:Il-menu, jekkjogħġbok (イルメニュー、イエックヨージョボック)
自分のことを伝える簡単な自己紹介
簡単な自己紹介ができると、会話のきっかけになります。
私の名前は〇〇です: Jisimni 〇〇 (イスィムニ 〇〇)
はじめまして: Għandi pjaċir (アーンディ ピャチル)
お元気ですか?: Kif inti? (キーフェント)
マルタの言語に関するよくある質問

ここでは、マルタの言語に関して多くの人が抱く疑問について回答します。
イタリア語も通じるのですか?
はい、多くの国民がイタリア語を理解し話せますが、公用語ではないためどこでも通じるわけではありません。
地理的な近さやテレビ放送の影響で、特に高齢層にはイタリア語がよく通じます。
しかし、若い世代では英語が主要な外国語となっているため、観光地やホテル以外では通じない可能性も考慮しておくとよいでしょう。
現地の人々は普段どちらの言語を話していますか?
状況に応じてマルタ語と英語を使い分けています。
家庭内や友人同士といったインフォーマルな場面ではマルタ語が主流です。
一方、ビジネス、教育、観光客との会話など、フォーマルな場面や異なる背景を持つ人とのコミュニケーションでは英語が広く使われます。
多くの国民がバイリンガルであるため、島では両方の言語が日常的に話されています。
英語留学中にマルタ語を覚える必要はありますか?
いいえ、留学生活や日常生活においてマルタ語を覚える必要は基本的にありません。
語学学校の授業はもちろん、お店での買い物や公共交通機関の利用もすべて英語で完結します。
マルタ語の文法は英語と大きく異なり習得が難しいですが、挨拶など簡単な言葉を覚えておくと、現地の人々との交流がより深まるでしょう。
マルタ大学付属語学学校については「【公式語学学校】MALTA UNIVERSITY LANGUAGE SCHOOL」で詳しく紹介しています。
まとめ

マルタは、マルタ語と英語という2つの公用語を持つ国です。
歴史的背景からイギリス英語が社会に深く根付いており、日本から観光や留学に行く際も英語でのコミュニケーションに困ることはほとんどありません。
マルタ英語には特有のアクセントや表現がありますが、それも文化的な特徴の一つです。
また、アラビア語をルーツとするユニークなマルタ語に触れることで、マルタの豊かな歴史と文化をより深く理解できます。